悪魔の月・renya.comの宣言

 1998年5月はまさに悪魔の月となってしまった。インドとパキスタン両国がこの月、相次いで地下核実験を実施したのである。
 renya.comは、 インド政府及び国民、パキスタン政府及び国民に対し強い怒りと哀しみを感じるものである。
 いかなる理由があろうとも、核兵器の開発及び利用はけして許される物ではない。50年前の広島及び長崎以外の場所が被爆地となる事は許されない。日本は50年前から未来永劫いつまでも唯一無二の被爆国であり続きなければならない。

悪魔の月・事実関係の確認

 インドのバジパイ首相は1998年5月11日、首相官邸で同国北西部ラジャスタン州にあるタール砂漠のポカランにある核兵器実験場で現地時間同日午後3時45分(日本時間同7時15分)地下核実験を3回実施したと緊急記者会見で発表
した。
 この実験は1974年5月以来、約20年ぶり2度目の事。
 続く5月13日にも同実験場において、同日午後零時21分(日本時間同日午後3時51分)に2度目の地下核実験を2回行ったと同日インド政府は発表。

 パキスタンは1998年5月28日午後3時30分(日本時間同7時30分)パキスタン西部のバルチスタン州チャガイ地区で5度の地下核実験を実施。
 パキスタンのタラル大統領は、核実験後にパキスタン全土に非常事態宣言をだし、憲法の一時停止と政府への強大な権力集中が行われた。
 続く5月30日午後1時10分(日本時間同5時10分)チャガイ実験場において2度目の地下核実験を1回実施した。
 パキスタン政府は2度に渡る実験で今回の一連の実験はすべて終了したと発表。

悪魔の月・各国の対応

 中国に次ぐ巨大な人口を抱え、21世紀にはその中国を抜いて世界一の人口を抱える大国インド。このインドとの経済関係の悪化を恐れるロシアやフランスなどは、今回のインドの核実験に対して遺憾の意を発表するなどはしたが、経済制裁などの厳しい処置は取らなかった。また、直後のバーミンガムサミット(主要8ヶ国首脳会議)においても、主要国が非難の足並みをそろえることはなかった。この事がパキスタンの核実験を引き起こす原因の1つになってしまったことを、各国はどのように考えているのだろうか。

 主要国の中で厳しい経済制裁などをとったのは、日本とアメリカだけであった。その上でパキスタンに対しては自重を求め、特使を派遣するなどしたが、結局はパキスタンの核実験を阻止することは出来なかった。
 ただ、唯一の被爆国とのみいい続ける日本政府の外交力のなさが改めて問われている。
 また、アメリカはインドの核実験を事前に把握する事が出来なかったと言われている。また、パキスタンの核実験を阻止することも出来なかった。この事はアメリカの国際社会における影響力のますますの低下を如実に示す物となってしまった。

 少なくとも、パキスタンによる地下核実験を阻止出来なかったのは、核兵器に対する国際社会のあまい認識があると思える。特にロシアやフランスの態度には一種の憤りを感じる。
 インドの核実験直後に開かれたバーミンガムサミットで有効な手を打てなかった時、核保有が一概にいけないことではないという誤った印象をインドやパキスタンをはじめとする多くの国に与えてしまったと思われる。

 日本人は誰でもは核実験の禁止や核廃絶が世界の流れだと言っているが、これが本当の事かどうかこれらの行動を見ていると疑わしい気すらしてくる。

悪魔の月・実験の背景

 インドとパキスタンは独立以来、カシミール地方の領有権問題などで対立し、現在までに3度の戦争を引き起こしている。
 インド独立の父、マハトマ・ガンジーは大英帝国に支配されていた旧インド帝国が1つの国として独立する事を目標に非暴力非服従運動で独立運動を展開していた。しかし、結果としてインドはヒンズー教徒中心で、パキスタンはイスラム教徒中心でそれぞれ分離独立をしてしまった。マハトマ・ガンジーは、各宗教の融和を解く旅の最中1人の男に打たれてその命を落としてしまったのである。

 インドの今回の核実験は先の総選挙で成立した脆弱な人民党政権の政権基盤を安定化させるための方策として取られたとも考えられている。

 パキスタン政府はインドの核実験を受けて高まった国民の間の核実験待望論を押さえ込むことが出来ず、国際社会のインドに対する対応があまい事を見て、これならばとある程度の制裁は覚悟の上で行ったと見られる。

 先のフランスや中国の地下核実験への国際社会の対応を見て、経済制裁などが行われてもそれは一時的なものに留まるという判断がインド政府にはあったと思われる。

悪魔の月・今後の展開

 今回の一連の実験により、核保有国を米露仏英中の5大国に限定するというNPT(核拡散防止条約)体制は完全に崩壊したと言っていいだろう。 今後、核疑惑国と言われる国々が一斉に核武装に走る可能性がある。そうなると、もはや核の拡散は決定的なものとなり、 NPTやCTBT(包括的核実験禁止条約)がなんら実効的な意味を持たないということになるだろう。

 NPT体制の崩壊が日本に直接関係あるところでいえば、 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に核開発の口実を与えてしまった可能性が否定出来ないという所だろう。もし、北朝鮮が核保有国となってしまった場合、韓国(大韓民国)及び日本はどういった対応をとることになるのだろうか。

 全世界的に、対外的な危機感が高まると、各国で極右主義(国粋主義)が台頭することになるでしょう。もちろん、日本もこれの例外ではないと思われる。
日本は孤立しては生きていけない国になっていることを忘れてはならない。

 パキスタンが核兵器を保有したと言うことは、見方を少し変えてみると、イスラム系の国がはじめて核兵器を保有したという事を意味している。これは、今後アラブ各国への核開発の伝播が心配される。特に絶えず不安定な中東各国は一斉に核保有に走る可能性が否定出来ないのが悲しい。

 南アジアの安定で考えると、カシミール地方には、インド、パキスタン両国合わせて60万人ほどいるが、インドの核実験の後、散発的に銃撃戦が行われている。これが更に発展する可能性がある。そうなると、4度目のインド対パキスタン戦争に発展してしまう可能性が否定できない。その時もし核兵器が使用されるような事態にでもなったら、一体世界はどうなってしまうのだろうか。

 今回の一連の核実験により、全世界的に考えて、核兵器が実際に使われる可能性が極めて高くなったと言える。
 核戦争においては、先制攻撃を仕掛けた方が圧倒的に有利な立場に立つ。しかし、冷戦時代においては、米ソそれぞれが広大な領土を持ちまた補足がほとんど不可能な原子力潜水艦などにより、必ず報復され共に滅んでしまうということがあり、いわゆる核抑止論というものが成立していた。しかし、インドとパキスタンが仮に核戦争に発展した場合、先制攻撃で相手の核ミサイル基地を壊滅させてしまえば、報復の可能性が消えてしまうと考えられる。となると、やられるより先にやれという論理が成立してしまいかねないという状況になる。

悪魔の月・核兵器とは

 表題を悪魔の月としているが、核兵器というのはまさに悪魔の兵器である。
その理由の多くは圧倒的な破壊力とその為に発生する放射能汚染の危険性に由来する。

 核兵器は、通常兵器では考えられないような破壊力を有している。50年前の広島や長崎を見ればそれが実感出来るだろう。たった1つの爆弾で1つの都市が丸ごと廃虚と化してしまうのだ。しかも、その後の核開発競争により広島型原爆の数百倍の破壊力を今の原水爆は有している。今世界にある核兵器をすべて使えば一体何回地球全土を破壊できるのかもう数えきれる物ではないのである。
 戦争という物は許される物ではないが、一方で人類の歴史はイコール争いの歴史とも言われるように生き物にとってある意味避けて通れないものであるとも言える。けして戦争を認めるわけではないが、それでももし戦争をする場合においても一定の約束事という物があってしかるべきである。しかし、核兵器の圧倒的な破壊力の前にはそのような物が一切無視されてしまうのである。

 広島や長崎の被爆者がその後50年苦しみ続けている物。それが放射能汚染である。人間というよりも地球上の生命体にとって、放射能というのは忌むべき存在なのである。放射能と人類が共存することはできないのである。

あとがき

 このような記事を書いていると自分の無知を改めて実感します。今回はほとんど調査をせずに自分のあやふやな記憶だけで書いている部分が多いので、間違いなどがあるかもしれません。その時はやさしく教えて下さいね ^^;
 また、言いたいことも書いている内によくわからなくなってしまいました。しかし、最初の宣言の所に書いてあるように、如何なる理由があろうとも核兵器の開発・所有・利用は許される物ではないと、これだけは強く思います。

 「お前なんかに何がわかる」「わからないな。どんな理由があろうとも核実験を行う奴の気持ちなんて。わかりたくもないよ」

アメリカに抗議する

 米エネルギー省は東部夏時間9月26日午後6時7分(日本時間27日午前7時7分)、ネバダ地下核実験場で、4回目の臨界前核実験を実施した。5月にインド、パキスタンが核実験を強行して以降、初めて。同省は「核爆発を伴っておらず、核実験全面禁止条約(CTBT)に違反しない」と発表した。

 1945年7月16日に米国ニューメキシコ州トリニティにおいて史上初の原子爆弾実験が行われた。現在は米空軍のホワイトサンド・ミサイル基地内にあり、普段は立ち入りが禁止されているが、4月と10月に1日づつだけ一般公開されている。

 2001年9月22日にブッシュ大統領はインド及びパキスタンに対する経済制裁の解除を発表しました。これは先に起った米中枢同時多発テロの報復攻撃に両国の支援を得るための処置。


 平成11年(1999)9月30日。茨城県東海村の核燃料サイクル機構において日本の原子力史上初の臨界事故そして放射線被爆事故が起こりました。
 核分裂が連続する状態を臨界といいます。核分裂の際に発せられる放射線が人体の染色体を破壊します。染色体は遺伝情報を持ち、人体の設計図とも言われます。この染色体が破壊されると新しい細胞が作れない状態になってしまうのです。


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