2002年4月18日(木)から21日(日)までの4日間、東京ビックサイトにおいて東京国際ブックフェア 2002が開催されました。このフェアは中心となるブックフェアの他にも電子書籍関連のデジタルパブリッシングフェアなどが併催されていました。電子書籍に興味があるボクは最終日にあたる4月21日(日)に会場へと足を運びました。
そして折角の機会ということでメーリングリスト『電子書籍への飛翔』の簡易オフ会を開催しました。参加者は文市(あやち)の小箱茶室・電子書籍の悦楽の文市さん、Novel SearchのTAKEさんです。
東京国際ブックフェアは世界25ヶ国より550社にのぼる出版社が出展するアジア最大規模の本の見本市です。
今年の基調講演は佐野眞一氏による『本は死なない、しかし出版業界は崩壊する』と題するものでした。
初日の夜のNHKのニュースで取り上げられるなど、今回のフェアの目玉とも言えるのが凸版印刷によるE-inkとの提携で話題となっている電子ペーパーです。
TAKEさんが前日に聞いたところではプロトタイプが出展されていた1枚の電子ペーパは2万円程度での価格を考えているとのことです。
凸版印刷のブースでは他にもBitWayの紹介やbooks.or.jpの紹介がありました。
シャープとドコモと日立(デジブック)が共同でブースを設置しXMDFを利用したサービスについて紹介していました。
XMDFはシャープのSSTが新ザウルス文庫等で既に展開を開始しているモバイルドキュメントフォーマットで文春ウェブ文庫、中公eBooks、ザウルスセレクト文庫、祥伝社Web Books、丸善eライブラリー、鬼平ウェブ文庫、電子書店パピレスの7書店で計1000冊が採用しているとのことです。
出版社の新潮社、ソフト開発のボイジャー、ハードベンダーのカシオと富士通、販売店のpdabook.jpが共同でブースを設け.bookに関してのPRを行っていました。
暗号化技術などをDLL化して別のフリーソフト作家などによるビュワー開発を可能にしたいかという話しに対しては否定的。元々T-Timeはテキストをいかに読みやすくするかが命題で作られているソフトであり、それが根幹をなすものだからとのこと。
荻野社長によるとTTZを.bookにするソフトを個人向けに販売するのは現在出版社にライセンス販売している関係で難しい。
しかし、7月を目処にボイジャーのウェブサイトにTTZをアップロードするとその場で.bookに変換してくれるサービスを提供したいとのこと。このシステムは.bookのファイルその物はボイジャーのサイトにあり、そこへリンクを張るという仕組になるが、無料での発行や有料での発行のどちらもカバーするとのこと。
形式を信用していいかということに対しては未来には何があるかわからないから確約は出来ないが今までのボイジャーの10年の歩みを見てもらいたいとのこと。
非常にあつい方という印象を持ちました。
新潮携帯文庫に執筆の中村うさぎさんのサイン会の時にいたTBSのクルーはニュース23のクルーでその模様は4月24日に放送されたとのことです。
電子書籍作成ソフトということでパブリッシャーズキットを売っていましたが、少なくとも現段階ではこのソフトではブースで話題の.bookは作れないんですよね。
デジタルパブリッシングフェアの外でも実は電子書籍に関係する重要なブースがありました。
徳間書店のブースでは今夏公開予定の最新作『猫の恩返し』のプロモーションが行われていました。
招待状を持っている人は無料、割引券がある人は800円、当日券は1200円というこのイベント、何か間違っている気がします。
ウェブサイトなどでばらまいているとも言える招待券ですが、あくまでも出版関係者向けのものということで、一般読者にはあまりのもそぐわない質問が大部分を占めていました。
会場では各種書籍の販売が数多く行われていました。これは本来もっと一般読者を対象に行うべき物ではないかと思います。
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