物語を読むのが好きな月島雫(つきしましずく)は高校受験を控えた中学3年生の夏休みにヴァイオリン作り職人を目指す少年天沢聖司(あまざわせいじ)と知り合い、そして少年に触発されて自分で物語を書こうとします。WHISPER OF THE HEART.多摩を舞台に繰り広げられる青春ストーリー。ボク自身にとってもちょっとほろ苦い思い出がある作品でもあります。
この映画は、柊あおいさんの原作(耳をすませば)をもとにスタジオジブリが近藤喜文氏が監督を、宮崎駿氏が絵コンテと脚本を担当して製作した長編アニメーション映画で、平成7年(1995)7月15日(土)に東宝洋画系で公開された映画です。
上映時間は111分。作画枚数64491枚、使用色数427色。第1次配給収入は18億5000万円で1995年度邦画第1位を記録しました。
1995年6月19日に東京は有楽町マリオンの日本劇場にて完成披露試写会が行われました。
ボクは劇場公開の時には結局見ることが出来ず、1年後のテレビ放映ではじめて見ました。そしてその時に撮ったビデオを繰り返し見ました。劇場公開の時に自分自身が見たわけではないんですが、ちょっと苦い思い出のある作品でもあります。
ボクも中学生の時に物語を書いた覚えがあります。雫が書き上げた『耳をすませば〜バロンがくれた物語〜』にとは比べるべくもない作品ですがそれでも3部作の作品を書き上げる事が出来ました。
名前 | 説明 | 声優 | 説明 |
月島雫(つきしましずく) | 物語を読むのが好きな中学3年の女の子。 | 本名陽子(ほんなようこ) | 昭和54年(1979)1月7日、埼玉県生まれ。INP チュチュ所属。ジブリ作品としては他におもひでぽろぽろの岡島タエ子役でも参加しています。 |
天沢聖司(あまさわせいじ) | バイオリン職人を目指す中学3年生。 | 高橋一生(たかはしいっせい) | 1980年12月9日、東京都生まれ。舞プロモーション所属。おもひでぽろぽろでも台詞が2言程度ながら出演。友情にも出演しています。 |
バロン | フンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵。 | 露口茂 | 昭和7年4月8日、東京都生まれ。昭和30年に7期生として俳優座に入る。太陽にほえろ!の七曲署No.2の山さんこと山村刑事を演じる。声優は今回が初挑戦。 |
西司郎(にししろう) | アトリエ地球屋の主人。 | 小林桂樹(こばやしけいじゅ) | 1923年11月23日、群馬県生まれのB型。 |
高坂先生 | 雫の通っている中学の保健の先生。 | 高山みなみ | 5月5日、東京都生まれのB型。81プロデュース所属。永野椎菜と共にTWO-MIXとして数多くの歌を世に送り出す。声優としても活躍していて忍たま乱太郎の乱太郎、ミスター味っ子の味吉陽一、名探偵コナンの江戸川コナンなど数多く出演。 |
原田夕子 | 雫のクラスメート。雫とは親友の間柄。 | 佳山麻衣子 | 1981年、大阪府生まれ。劇団若草所属。 |
杉村 | 雫のクラスメート。野球部に所属。 | 中島義実 | まんが日本昔ばなしの主題歌『にんげんっていいな』を歌う。 |
月島靖也(つきしまやすや) | 雫の父。市立図書館に勤めている。 | 立花隆 | 東京大学教授。数多くの著書を持つ。 |
月島朝子(つきしまあさこ) | 雫の母。 | 室井滋(むろいしげる) | 1960年(昭和35年)10月22日、富山県出身。女優でありまた作家でもあります。 |
月島汐(つきしましお) | 雫の姉。大学生。 | 山下容莉江(やましたよりえ) | 1964年9月29日、神奈川県生まれ。シス・カンパニー所属。 |
京王線の聖蹟桜ヶ丘(せいせきさくらがおか)駅周辺を中心にかなり現実の風景が劇中に用いられています。スタジオジブリのスタッフがロケーションハンティング(ロケハン)をやっているそうです。その為、多くの人が耳をすませばの舞台を見ようと訪れています。ボクもそんな人の1人だったりします。大学時代は京王沿線に住んでいるので、比較的気楽に訪れることが出来たのです。いろは坂の感じやそこから見おろす駅を中心とする風景やロータリーなどはまさに耳をすませばの世界そのものです。あれ、映画の中の世界が現実の世界そのものという言い方が正しいのかな。
しかし、ここで勘違いしてはいけないのは、けして現実の世界をそのままアニメ化したわけではないというところです。アニメでは合わない所などはかなりデフォルメされています。その1例がロータリーの位置でしょう。現実の世界ではいろは坂より若干離れていますが、劇中では坂のすぐ近くにある感じです。そうでないと地球堂との位置関係が合わないので。
ちなみに、劇中と現実世界との最大の違いは、市立図書館の有無でしょう。残念ながら、いろは坂には図書館はないんです。この図書館のモデルもどこかにあると聞いたことがあるんですが、どこのなんという図書館だか知っている人がいたら教えて下さい。
雫がムーンと出会った電車。外見のモチーフは今は既に走っていない京王線の5000系です。
さて、雫の物語『バロンのくれた物語』の中ででてきたバロンが生まれ、そしてラピス・ラズリの鉱脈を探して雫が空を飛んだ幻想的な世界。この世界はどんな世界なのでしょうか。イバラードというのがそのヒントであり答えであります。
あの状況で雫のしたいようにやらせられる、このお父さんはすごいと思う。
聖司が雫に見せたかった秘密の場所。ここ、あると思うんだけど、どこにあるんだろう。
音楽は野見祐二という人。
スタジオジブリの作品はどの作品もそうですが、この作品も手抜きなしの職人の仕事の作品だと思います。月島家の玄関などの描写を見るとその仕事の素晴らしさがわかると思います。
コンクリート・ロードというのは、John DenveのTAKE ME HOME COUNTRY ROADS(故郷へかえりたい)を劇中で雫が訳詩したものですが、なかなか痛烈で面白いと思います。
ヴァイオリンを作りながら日の光に目を向ける男性の木版画「牢獄の中でヴァイオリンを作る少年」の作者は宮崎敬介氏です。
イタリア中部の街、クレモーナ市。
ラピスラズリ(Lapislazul)とは青の色素として絵の具として使われる事もある鉱物です。
ルリ色のこの色はツタンカーメン王の仮面の青い部分にも使われています。また、聖母マリアの服の色にも利用されていることから、マドンナブルー(Madonne Blue)やマリアブルー(Mary Blue)とも呼ばれています。
古代エジプトでは国王、王族、司祭しか身につけることをゆるされなかった高貴な色です。
ラピスラズリはまた深い藍色をした宝石でもあります。碧瑠璃(へきるり)、青金石(せいきんせき)とも呼ばれます。
ちなみに、ラピスはラテン語で石、ラズリはペルシャ語で青という意味のラズワードから来ています。
宝石ラピスラズリは12月及び1月22日、5月25日、8月6日、9月24日、12日9日の誕生石でもあります。
宝石言葉は永遠の誓い。また富と名声の意味もあります。
ラピスラズリの成分はマグネシウムとアルミニウム及びリンの集合体です。
古来よりとても高価な物とされ、金と同じ値段で取引される事もあると言われています。
また、日本では瑠璃と呼ばれ、仏教の七宝の1つとされています。